「海を感じる」港下町はどこに?

text= 小泉寛明

いままでは神戸の山側のエリアを紹介してきましたが、今回は気分を変えて海側のエリアを紹介します。神戸R不動産の物件検索には、「港下町」というアイコンがあります。神戸といえば山から見おろす街の景色というのが一般的なイメージですが、港に近く下町情緒あふれる、まさに「港下町」の言葉に相応しいエリアがあるのです。

囲ってあるあたりが「港下町」。

意外と思われるかもしれませんが、神戸の街には海をじかに感じて住めるところは限られていると思います。山側の物件からは街越しに海が見えますが、ちょっと距離があって「海を感じる」という状況ではないのです。かたや海に近い湾岸エリアは古くから重工業の工業地帯、倉庫街でした。造船所があったり、外国から来た貨物を収容する倉庫があったり、船着き場があったり、普通の人はあまり立ち入らない、でも立ち入るとなんだかワクワクするエリアだったわけです。

海際って何かワクワクする場所ですよね。

変わる時代、取り残されるエリア

立地は、JR神戸駅から徒歩数分圏内のエリア。一般的に神戸の街と言えば三宮から元町、ハーバーランドにかけての繁華街のことを指して言われますが、このエリアはハーバーランドの南西側に位置する川崎重工の工場が街の中心で、そこで働く人や関連会社、下請け会社の人々の街といった感じです。高度経済成長の時代には賑やかだったこのエリアも、時代は変わって各企業も事業撤退気味。港湾にまつわる企業はあまり元気ではなさそうです。そこに住んでいる人や建物も高齢化してきて空家が沢山、街の空洞化が問題になってきているようです。

でも視点を変えると下町情緒たっぷりの店や、商店街、そしてそこで住んでいる人たちがいる人情味あふれるエリアです。意外と住みやすいということに気付いて何人かでこのエリアに住み始めている人たちが居ます。どうも神戸には港を感じる住処が少ないなあと思っていましたが、でもあったのですね。かなりマニアックな場所に。

商店街の入口と隣接する神社。この中の商店街に住んでいるメンバー。

商店街に住む。

ここはニューヨークか? 空洞化する商店街の中につくられた住処。写真中下は空き店舗を利用した、彼らのイベントスペース。

場所は海際からちょっと内陸に行ったところにある商店街の中、ちょっと路地を入った所にあります。こちらに住み始めたのは、学生時代からの仲間数名のグループで、今は会社勤めの人も居れば、独立してデザイン関係の仕事をしている人など多種多様です。ふとしたことから学生時代にこのエリアに興味を持って、「建物は古いままでいいので安く貸して下さい」と、建物のオーナーさんに交渉をして物件を借り、自分達でリノベーションを行いました。そして少しずつ友人が集まり始めて、気がついたら数人の仲間が住むようになったそうです。メンバーが集まってきたので休日には商店街の空き店舗を利用してイベントを開催したりもしています。

この場所が面白いのは、時代が混在する不思議な場所であること。気さくなおっちゃんとおばちゃんの経営している立ち飲み屋や、「きたなシュラン」的な、外見はくたびれているが味で勝負する飲食店などがぽつぽつと並ぶ下町情緒満載の空洞化した商店街の横で、近代的なハーバーランドという街がある。JR神戸駅はもちろん、三宮や元町だって歩いていけてしまう。海際には船の解体現場があり古い民家や倉庫街がたたずむ一方、その対岸には神戸を象徴するポートタワーやホテルオークラの姿も見える。そして、古くて渋い旧造船会社の倉庫や建物が空家になっていて、それが借りられないものかとかなり気になる…

渋い倉庫。何をしようか妄想が膨らみます。

世の中、使える建物がまだあるのに、考え方を少し変えれば便利な場所なのに、人は新しい建物や見かけがキレイな街に目移りしがちです。だけど、高齢者が多くて、空洞化という問題を抱えた地域に、若い血が入ってきて街を変えていく。古い建物、そして新しい血が混ざって行く、神戸の海際に港下町の香りを残す、そんな場所があってもいいように思います。

乞うご期待!

海際の倉庫街。

このエリアは不動産情報があまりなく、現在のところは物件として紹介できるものがかなり少ない状態です。神戸R不動産では、今後このエリアの物件情報を開拓して皆さんにお知らせしていこうと思います。このコラムを読んで、このエリアで自らリノベーションをして住んでみたいと思われた方は随時こちらまでお問い合わせ下さい。

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